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2025/07/14
バス運転手の平均年収を種類別・地域別に徹底解説!近年の推移や将来性も紹介

バス運転手への就職や転職を考える際、平均年収がどのくらいなのかは特に気になるポイントではないでしょうか。一口に「バス運転手」といっても、運転するバスの種類によって仕事内容や収入には違いがあるため、イメージしづらいかもしれません。
この記事では、バス運転手の年収について、全体的な傾向から、種類別・地域別の違い、収入アップの方法までわかりやすく解説していきます。
ドライバーの仕事内容について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
『ドライバーの仕事、種類と内容を徹底解説!あなたに向いているのは?』
バス運転手ってどんな仕事?

乗客を目的地まで安全に運ぶバス運転手。イメージしやすい職業ですが、実際の仕事内容や勤務体系はどうなっているのでしょうか。ここでは、主な業務内容、バスの種類ごとの特徴、働き方のポイントについて解説します。
バス運転手の主な仕事内容
バス運転手の仕事は「運転」だけではありません。安全運行と乗客対応を両立するプロフェッショナルな職業です。主な業務は次の4つに分けられます。
• 健康状態の確認と車両点検
• 運転業務
• 乗客への接客対応
• 運行後の車両点検や清掃
出勤後はまず、運行管理者によるアルコールチェックや健康状態の確認を受け、安全に運転できる状態かを確認します。続いて車両点検を実施し、ブレーキやタイヤなどに異常がないかを確認します。
運行中は、交通ルールを遵守しながら時刻表通りの運行を目指し、必要に応じて運賃のやり取りや乗降サポートなどの接客対応も行います。
業務終了後には車両の清掃や最終点検を行い、次回の運行に備えるのが一般的な流れです。
担当するバスの種類(路線バス・観光バス・高速バス・送迎バスなど)
担当するバスの種類によって、仕事内容や勤務スタイルに違いがあります。主に以下の4タイプに分かれます。
• 路線バス:市街地などで決められたルートと時刻表に沿って運行
• 高速バス:都市間を長距離運行するバス(高速道路使用)
• 観光バス:旅行会社や団体による貸切で運行される観光用のバス
• 送迎バス:学校・病院・福祉施設などの利用者を決まったルートで送迎
路線・高速バスは定期運行が基本ですが、観光・送迎バスは利用目的や契約内容に応じて柔軟にルートが変わることもあります。
勤務時間や働き方の特徴(シフト制・長時間勤務・安全第一など)
バス運転手の勤務体系はシフト制が一般的で、早番・遅番に加え、1日の中で朝から夕方まで、または昼から夜までなど、長時間連続で勤務する「通し勤務」などもあります。
通し勤務の場合、1日の拘束時間が長くなる傾向がありますが、労働時間については法令で明確に規制されています。
• 拘束時間の上限:原則13時間まで、延長時は15時間まで
• 連続運転時間の上限:一般道では4時間まで、高速道路では概ね2時間ごとに休憩
• 休息期間:勤務終了後、11時間以上(最低でも9時間以上)
これらの基準は、2024年4月から施行された「改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)」により強化されています。ドライバーの健康と安全運行を守るため、過度な長時間労働を防ぐ取り組みが進んでいるのです。
バス運転手の平均年収はどれくらい?

厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」によると、バス運転手の平均年収は約461万円となっています。ただし、勤務する地域や企業規模、バスの種類などによって差があるため、あくまで一つの目安として考えましょう。
月収・初任給・賞与の目安
月収は平均で約33万円。これは基本給に加えて各種手当が加算される給与体系となっており、実際の手取りはおおよそ26万円前後が想定されます。
また、初任給は21万円前後が相場です。賞与(ボーナス)は年間平均約65万円と、ドライバー職全体の中では比較的高い水準にあるのが特徴です。
雇用形態による収入の違い
雇用形態によっても年収・収入には違いがあります。求人ボックスのデータを参考にすると、以下のような傾向があります。
• 正社員:年収 約419万円
• アルバイト・パート:時給 約1,198円
• 派遣社員:時給 約1,497円
契約社員や嘱託社員の場合も、給与水準は正社員よりやや低めに設定されることが多く、安定した収入を望むなら正社員での雇用が有利といえるでしょう。
ドライバー全体の年収について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
『ドライバーの平均月収は?種類・性別・年代別に詳しく解説』
バス運転手の年収は「種類」や「地域」で変わる

バス運転手の年収は「バスの種類」や「地域」で変わります。それぞれ詳しく解説します。
路線バス・観光バス・高速バスなど、バスの種類ごとの年収差
バス運転手の年収は、運転するバスの種類によって異なります。
もっとも安定しているのは「路線バス」の運転手で、平均年収は約427万円。固定ルートでの定時運行が中心のため収入は安定していますが、手当は少なめです。
「高速バス」の運転手は平均年収約461万円で、長距離や夜間運行が多く、深夜手当や距離に応じた手当が支給されることで収入が増える傾向にあります。
「観光バス」の運転手は平均年収約470万円と、バス運転手の中では高めです。観光シーズンや繁忙期に稼働が集中するため、収入に波がありつつも、稼げる時期には大きく上がる可能性があります。
「送迎バス」の運転手は350万~500万円と幅が広く、勤務先の施設(学校、病院、企業など)や、働く時間、雇用形態によって年収が大きく変動します。
以下に、バスの種類ごとの年収と特徴を一覧表でまとめました。

都市部と地方での収入の違い
バス運転手の年収は、都市部と地方で大きな差があります。
都市部では年収400万円台が安定的に支給されているのに対し、地方では300万円台にとどまるケースも多く、エリアによって収入水準が異なります。
この差が生まれる背景には、都市部のほうがバスの利用者数が多く、運行本数も多いという点があります。特に都市圏では大手バス会社が集中しており、基本給や各種手当、賞与の水準が高い傾向にあります。
一方で地方では、人口減少やバス需要の低下により運行本数が限られ、企業の収益自体も小さいため、給与水準が抑えられる傾向にあります。
このように、勤務する地域によって年収には大きな差が生じる点は、就職・転職の際に意識しておきたいポイントです。
地域別(都道府県別)の年収比較
バス運転手の年収は、勤務する都道府県によって大きく異なります。
平均年収がもっとも高いのは関西(437万円)と関東(425万円)で、なかでも京都府(468万円)や東京都(466万円)といった都市部は水準が高くなっています。
一方で、北海道・東北エリアの平均は約347万円と全国でも低めです。たとえば東京都と岩手県では150万円以上の差があり、地域による年収格差はかなり大きいといえるでしょう。
ただし、これらはあくまで都道府県ごとの平均値であり、実際の収入は企業の規模や雇用形態、各種手当の有無によって変動します。参考値として活用してください。


年収は上がっている?バス運転手の年収推移

バス運転手の年収は、社会情勢の影響を受けながらも、近年は回復傾向にあります。ここでは過去数年の年収推移とあわせて、背景にある経済動向や業界の変化を解説します。
過去数年の平均年収の推移
近年のバス運転手の平均年収は、おおむね450万円前後で推移しています。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、以下のような変化が見られました。
2019年:約419万円
↓
2022年:約399万円(コロナ禍の影響で減少)
↓
2023年:約453万円(需要回復で上昇)
コロナ禍で観光や路線運行が一時的に縮小した影響で年収は下がりましたが、近年は観光需要の回復などにより、コロナ前を上回る水準まで回復しています。
経済情勢や需要変化
新型コロナウイルスの影響で、一時は観光バス運転手の年収が半減するなど、大きな打撃を受けた業界。しかし、2023年以降はインバウンド観光の復活により、観光バスや空港アクセスバスの需要が急増しています。
これにより、バス運転手の労働機会と年収も回復し、都市部では年収500万円を超えるケースも増加しています。
業界の人手不足と待遇改善の取り組み
バス業界では現在、深刻な人手不足が続いています。
国の試算によると、2030年には約36,000人の路線バス運転手が不足する見込みで、地域によっては減便を余儀なくされるケースも出ています。
背景には次のような課題があります。
• 労働人口の減少と高齢化
• 有効求人倍率が2.06倍と高水準
• 長時間労働や低賃金への不安
こうした中、業界では以下のような改善が進んでいます。
• 賃金の引き上げ、労働時間の短縮
• 完全週休二日制の導入、休日の拡充
• 女性やシニア層の採用強化
• 運転支援システムや自動運転の導入
• 電動車両の導入やAI活用の実証実験
さらに、2024年4月から施行された「働き方改革関連法」により、拘束時間や残業時間に上限が設定され、法的にも労働環境の改善を後押ししています。
これらの取り組みにより、バス運転手の働き方やイメージの改善が進みつつあり、今後の人材確保と定着が期待されています。
バス運転手の収入を上げるには?

バス運転手として収入を上げるには、次の3つのポイントが鍵になります。
①勤続年数を重ねる
多くのバス会社では年功序列による昇給制度を採用しており、長く働くことで収入がアップします。初任給は月給20万円前後が一般的ですが、10年以上の勤続で30万円を超えるケースも少なくありません。
②企業選びを工夫する
バス会社の規模や運行エリアによって、基本給や手当の内容に違いがあります。大手企業や都市部を拠点とする企業のほうが、比較的高収入が期待できる傾向にあります。
③バスの種類を選ぶ
路線バスよりも、観光バスや高速バスは深夜勤務や長距離運行により手当が充実しており、年収が高めです。手当込みで収入を増やしたい方には、こうしたバスの担当が向いているでしょう。
バス運転手の年収は働き方次第で変わる
バス運転手の収入は、勤務形態や担当するバスの種類、地域によって大きく変わります。
平均年収の目安を把握したうえで、「自分に合った働き方」を選ぶことが、収入を安定させるためには大切です。
また、転職・就職を検討する際には、「現在の条件」だけでなく「将来的な年収の推移」も確認しておきましょう。昇給の見込みやキャリアの選択肢を知ることで、より納得のいく働き方を選べます。
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