女性トラックドライバーの魅力｜働き方・適性・体調への対応・求人まで徹底解説

物流業界では人手不足が続き、女性トラックドライバーの活躍が増えています。とはいえ「運転手＝男性の仕事」という印象は根強く、転職や就職を考える際に不安を感じる方も多いでしょう。

この記事では、女性ドライバーの人数や傾向、向いている性格・適性、生理や体調への配慮など、女性ならではの課題と対策を解説します。働き方のポイントや求人の探し方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

女性トラックドライバーの人数と推移は？

最近では、トラックを運転する女性の姿を見かけることも増えてきました。
とはいえ、まだまだ男性の仕事というイメージが強いですよね。

日本トラック協会の調査によると、ドライバーなど運送・機械運転に携わる人は約88万人。そのうち女性は3.4％と、まだ少数派です。ただ、ここ数年は女性を積極的に採用する会社も増えており、少しずつ環境が変わりつつあります。

背景には、深刻な人手不足があります。経済産業省の調査では、トラックドライバーは2030年までに約3割減る見込みとされています。こうした状況を受けて、国土交通省は「トラガール促進プロジェクト」を立ち上げ、女性が働きやすい職場づくりを応援しています。

最近では、女性専用のトイレや更衣室を整備したり、産休・育休制度を整える運送会社も増えています。女性が安心して長く働ける環境が、少しずつ整ってきているのです。

トラックドライバーの仕事内容について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
『ドライバーの仕事、種類と内容を徹底解説！あなたに向いているのは？』

どんな人が向いている？女性ドライバーに多い性格や適性

女性トラックドライバーとして活躍している方には、ある程度共通した性格や特徴があります。
ここでは、特に多い3つのタイプを紹介します。どれか一つでも当てはまる方は、この仕事に向いているかもしれません。

タイプ①：細やかな気配りができる
トラックの運転では、ほんの小さな判断ミスが思わぬ事故につながることもあります。
周囲の状況をこまめに確認したり、天候や道路の変化に敏感だったりする人は、安全運転を徹底できる傾向があります。そうした「気づく力」は、ドライバーとして大きな強みです。

タイプ② 自分のペースで働くのが好きなタイプ
トラックドライバーの仕事は、一人で運転する時間が長いのが特徴です。
そのため、常に誰かと一緒に働くよりも、自分のリズムで仕事を進めたい人に向いています。黙々と作業に集中できるタイプなら、安定して高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。

タイプ③ 体力と忍耐力があり、コツコツ続けられるタイプ
体力というと力仕事を想像しがちですが、ドライバーに必要なのは「長時間の運転に耐える持久力」や「生活リズムを保つ自己管理能力」です。
無理をせず、コツコツと仕事を続けられる人ほど、長く安心して働けます。

性別を問わず求められる共通の適性

トラックドライバーの仕事で大切なのは、性別の違いではなく「誰にとっても必要な基本的な力」です。とくに次の3つは、男女を問わず求められる共通の適性といえるでしょう。

・時間を守る力（時間管理能力）
配送のスケジュールは、分単位で組まれることもあります。
渋滞や天候の影響など、想定外の出来事が起きても冷静に判断し、時間内に荷物を届けるための調整力が大切です。

・安全を最優先に考える意識（安全意識の高さ）
トラックは普通車よりも大きく、少しの油断が大事故につながることもあります。
「安全第一」という意識を常に持ち、危険を先回りして予測できる人ほど、信頼されるドライバーになれます。

・人と関わる力（お客様対応力）
荷物の受け渡しや配送先でのやりとりなど、ドライバーは意外と人と接する場面が多い仕事です。
丁寧な言葉づかいや柔らかな対応ができる人は、自然と取引先からの信頼も集まります。

トラックドライバーと聞くと「力仕事だから男性の仕事」と思われがちですが、それはもう昔の話です。最近は荷積みや荷下ろしも機械化が進み、女性でも十分に対応できる範囲になっています。

また、女性は細やかな気配りや複数のことを同時にこなす力に優れている方が多く、安全運転や人とのコミュニケーションでもその強みを発揮しています。

実際、アメリカ・テネシー大学の研究では、男性より女性のほうが危険な運転をする割合が低いという結果が出ています。
さらにオーバーン大学とテネシー大学の研究者による共同調査では、女性トラックドライバーの違反率は男性より13.2％も低いとのこと。安全運転という面でも、女性ドライバーならではの信頼感があると言えるでしょう。

トラックドライバーの適性についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
『トラックドライバーに向いている人とは？適性・向き不向きのチェック方法を徹底解説』

女性ドライバーの健康管理の課題と対応方法

女性トラックドライバーとして働くうえで、気になるのが生理や体調面の問題ではないでしょうか。

長時間の運転になることも多く、「トイレにすぐ行けない」「ナプキンを交換するタイミングがない」など、実際に困る場面もあります。高速道路のサービスエリアやパーキングエリアは利用者が多く、混雑してすぐに使えないこともあるでしょう。

こうした悩みに対応するには、少しの準備と工夫が役立ちます。

・トイレの場所をあらかじめ把握しておく
勤務ルート上のコンビニや商業施設など、利用できるトイレを事前にチェックしておくと安心です。

・自分に合った生理用品を選ぶ
長時間運転に対応できる吸収力の高いタイプや、交換頻度を減らせる月経カップを使うのも一つの方法です。

・体調が悪いときは無理をしない
少しでも違和感があるときは、早めに休むことが大切です。無理をしてしまうと、集中力が落ちて事故につながることもあります。

最近では、女性ドライバーの体調に配慮した制度を整える会社も増えています。
生理休暇や柔軟なシフト制度を導入していたり、急な体調不良に備えて代替ドライバーを配置していたりと、サポート体制が少しずつ整いつつあります。

就職や転職の際は、その会社が女性ドライバーの体調やライフステージにどれだけ理解があるかを、事前に確認しておくと安心です。

トラックドライバーの労働時間や具体的な休憩時間についてはこちらの記事もおすすめです。
『トラックドライバーの労働時間はどれくらい？1日の平均や残業規制、2024年問題を解説』
『トラックドライバーの休憩時間は？法律と現場の実態をわかりやすく解説』

女性ドライバーにおすすめの働き方や車種は？

トラックドライバーというと「長距離で体力勝負」と思われがちですが、実際には近距離配送やルート配送など、ライフスタイルに合わせた働き方を選ぶことができます。

家庭やプライベートとの両立を重視する人、体力に不安がある人、未経験から始めたい人など、状況に合わせて柔軟に選べるのが魅力です。

たとえば、高収入を目指したいなら長距離ドライバー、規則正しい生活を送りたいなら地場配送やルート配送、子育てや副業と両立したいなら軽貨物ドライバーなど、自分に合った働き方を見つけやすくなっています。
詳しい特徴は、以下の表で確認してみましょう。

女性ドライバーにとっては、車両選びも快適に働くための大切なポイントです。
長時間の運転でも疲れにくく、安全性の高い車を選びましょう。

・オートマ車（AT車）：操作が簡単で、長距離でも疲れにくい
・運転支援システム：衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報など、安全機能を搭載

女性ドライバーの採用に積極的な会社では、これらの設備を備えた車を導入している場合が多いです。求人を探すときは、仕事内容だけでなく「どんな車に乗るのか」も確認してみてください。

こちらの記事では、女性も活躍するタクシードライバーの現状について詳しく解説しています。
『女性タクシードライバーの現実は？収入・深夜勤務・向いている人を徹底解説』

女性トラックドライバーの求人はある？探し方とチェックポイント

近年、物流業界の人手不足を背景に、女性トラックドライバーの求人は確実に増えています。
「未経験からでもOK」「免許取得をサポート」など、これまで男性中心だった職場にも、女性が活躍できる環境が少しずつ広がっています。

ただし、まだ男性ドライバーの方が圧倒的に多いため、求人の数自体は限られています。
そのため、効率よく探すには“検索キーワードの工夫”が欠かせません。

• 「女性歓迎」
• 「トラガール」
• 「女性ドライバー」
• 「日勤のみ」「土日祝休み」「週休2日」
• 「未経験」
• 「免許取得支援」「資格取得支援」

とくに「免許取得支援」がある求人は、中型・大型免許の取得費用を会社が負担してくれるケースもあり、未経験者にとっては狙い目です。
また、「日勤のみ」「週休2日」などの条件を加えると、家庭との両立を意識した働き方を見つけやすくなります。

また、求人を選ぶ際は、給与や勤務時間だけでなく、女性が安心して働ける環境かどうかを確認することが大切です。
とくに、次のような項目をチェックしてみてください。

• 女性専用のトイレ・更衣室があるか
• 産休・育休などの休暇制度が整っているか
• 体調不良時のサポート体制はあるか
• 女性ドライバーの在籍状況を確認できるか

運送会社によっては、女性の先輩ドライバーとの面談を設けているところもあります。
実際に働く人の声を聞けるのは、職場のリアルな雰囲気を知るうえで大きな安心材料になります。

ドライバーの求人については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
『ドライバー職の求人動向は？トラック・バス運転手の年収推移や将来性も解説！』

女性も安心して活躍できるトラックドライバー業界

国土交通省の「トラガール促進プロジェクト」などの後押しもあり、女性トラックドライバーは年々増えています。企業のサポート体制も整いつつあり、女性が安心して働ける環境が広がっています。

体力面や体調面での課題はありますが、工夫や企業の配慮によって無理なく続けられる時代になりました。長距離だけでなく、近距離配送や中型・小型トラックなど、自分のライフスタイルに合った働き方を選べるのも魅力です。

今後ますます女性の活躍が期待される業界です。まずは求人をチェックして、自分に合う働き方を探してみてください。

トラックドライバーの求人・転職先をお探しの方は、ドライバー・運転手専門の転職サイト「ドライバー転職ナビ」がおすすめです。