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2025/07/15

大型免許を取得するには?条件・視力・難易度までわかりやすく解説

大型免許の条件

大型免許の取得を考えている方にとって、受験資格や必要な視力、試験の難易度などは気になるポイントではないでしょうか。また、大型免許を取得すると、どのような仕事に就けるのか、どんなメリットがあるのかも知っておきたいところです。
この記事では、大型免許の取得条件から、試験の難易度、取得後にできる仕事の内容やメリットまで、わかりやすく解説します。

ドライバーの仕事内容について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
ドライバーの仕事、種類と内容を徹底解説!あなたに向いているのは?

大型(自動車)免許とは?

大型(自動車)免許とは?

大型免許は、車両総重量11t以上、最大積載量6.5t以上、または乗車定員30人以上の車を運転するために必要な免許です。
運転できる車両は免許の種類によって異なり、たとえば普通免許では「車両総重量3.5t未満」、準中型免許では「7.5t未満」、中型免許では「11t未満」に制限されています。
その点、大型免許を取得すれば、これらすべての車両をカバーでき、さらに大きなトラックやバスまで運転可能です。運転できる車種の選択肢が最も広がる免許といえるでしょう。

大型免許で運転できる車両とは?

大型免許で運転できる車両とは?

大型免許を取得すると、車両総重量11t以上、最大積載量6.5t以上、乗車定員30人以上のいずれかを満たす大型車両の運転が可能になります。
大型免許で運転できる代表的な車両は以下のとおりです。

• 大型トラック(冷凍車含む)
• バス(路線バス・観光バス)
• ダンプカー
• タンクローリー
• ミキサー車


また、大型免許には「一種」と「二種」があります。
大型一種免許は貨物の輸送などに使用され、大型二種免許は旅客を運ぶ路線バスや観光バスなどで必要になります。
大型免許は、社会インフラや物流、交通機関を支える重要な資格として、さまざまな現場で必要とされています。

大型免許を取得するとできること・メリット

大型免許を持つことで、就職・転職の選択肢が広がります。以下のような業種・企業での勤務が可能になります。
• バス会社
• 建設会社
• 運送会社


さらに、大型免許を持っていると収入アップにもつながるのが大きなメリットです。
トラック運転手の平均年収が約455万円であるのに対し、大型車両を扱うドライバーは年収500万円以上を目指せるケースもあります。とくに、長距離輸送や危険物輸送などを担当すれば、手当や割増賃金が加わり、さらに高収入が期待できます。
現在、物流業界や観光業界ではドライバー不足が続いており、大型免許の保有者は今後ますます求められる存在となるでしょう。

大型免許を取得するための条件とは?

大型免許を取得するための条件とは?

大型免許を取得するには、運転者自身の安全と交通全体の安全を守るため、いくつかの受験条件が定められています。以下のすべてを満たす必要があります。

• 満21歳以上であること
• 普通免許・中型免許などの運転経験が通算3年以上あること
• 視力:両眼で0.8以上、かつ片眼でそれぞれ0.5以上
• 深視力検査(三桿法)で平均誤差2cm以内
• 赤・青・黄の色識別ができること
• 10mの距離で90デシベルの警音が聞き取れること
• 安全運転に支障のない運動能力があること


これらをすべてクリアすることで、大型免許の受験資格が与えられます。

教習所・合宿での取得手順(学科・技能・適性検査)

大型免許を教習所や合宿で取得する手順は、学科教習、技能教習、適性検査の3つで構成されています。

・学科教習
大型車両の構造や特性、各種装置の仕組みと操作方法を、座学を通して学びます。また、法令や交通ルールについても学び、大型車両を運転するための基礎知識を身に付けます。

・技能教習
大型車両の運転技術を実技で習得します。普通車とは車体感覚や内輪差、死角の範囲が異なるため、路上や場内コースでの実践を通して、運転ノウハウを身につけます。

・適性検査
視力・聴力・色彩識別・運動能力の測定を行い、運転に適した身体条件があるかを確認します。多くの教習所では心理テストも実施し、大型車両の運転に向いているかどうかを注意深く確認します。

費用の目安、教習時間の目安

大型免許の取得費用は、保有している免許の種類によって異なります。以下は主な例です。

• 普通車(AT限定):約35万円~40万円
• 普通車(MT):約30万円~35万円
• 中型一種(MT):約20万円~25万円
• 中型8t限定(AT限定):約30万円~35万円
• 中型8t限定(MT):約30万円~35万円
• 準中型5t限定(AT限定):約33万~38万円
• 準中型5t限定(MT):約32万円~37万円
• 準中型:約28万円~33万円

教習所によって費用は異なります。合宿免許の場合は宿泊や食事などのパック料金が適用され、5万円程度安くなるケースもあります。
教習時間の目安は以下のとおりです。
• 教習所:20~40日程度(技能時間:14~30時限ほど)
• 合宿免許:最短13日~(効率的に進行可能)

教習所と一発試験の違い

大型免許は、「教習所(または合宿)」で取得する方法と、「一発試験」で取得する方法があります。それぞれの違いは以下のとおりです。

【教習所・合宿で取得する場合】
メリット: 教官の指導のもとで段階的に学べるため、初心者でも安心して取り組める。合格率が高い傾向にある。
デメリット: 費用は高めで、約20万〜40万円程度が相場。
向いている人: 確実に免許を取りたい人、運転経験が浅い人。

【一発試験で取得する場合】
メリット: 教習所に通わずに済むため、費用は格段に安く、試験料や手数料を含めても約3万〜4万円程度。
デメリット: 試験内容を独学で準備しなければならず、難易度が高く、合格率も低い。初見でコースを運転する必要がある。
向いている人: 実務経験があるドライバー、費用を抑えたい人。

どちらの方法にもメリット・デメリットがあるため、自分の経験や予算、取得までの期間などに応じて選ぶのがおすすめです。

大型免許の取得は難しい?難易度は?

大型免許の取得は難しい?難易度は?

大型免許の取得はどれくらいの難易度なのでしょうか。ここでは、技能試験で苦戦しやすいポイントや合格率、取得までにかかる期間、初心者が注意すべき点についてお伝えします。

技能試験で苦戦するポイント(車体の大きさ・バック操作など)

大型車は普通車の2倍以上のサイズがあるため、車両感覚をつかむのが難しいという声が多くあります。とくに教習所の狭いコースや交差点では、わずかなハンドル操作で大きく車体が動くため、細やかな運転技術が求められます。
なかでも苦戦しやすいのがバック操作です。大型車は死角が広いため、ミラーだけで後方の状況を把握しながら操作しなければなりません。

また、右左折時の「内輪差」も注意すべき点です。大型車ではホイールベース(前輪軸と後輪軸の距離)が長いため、後輪が前輪より内側を通る内輪差が大きくなります。加えて、車体がタイヤよりもはみ出している部分(オーバーハング)が大きく、後部が外側に振れるため、反対車線も絡めた事故につながる原因にもなります。こうした動きを把握するには、空間認識能力も求められます。

合格率や取得までの期間の目安

警察庁が発表した「運転免許統計(令和6年版)」によると、大型免許(第一種)の合格率は90.6%と高めです。
取得にかかる期間は、取得方法や所持している免許によって異なります。
• 合宿免許:最短7日〜2週間程度
• 通学制:2週間〜1ヵ月程度


また、所持している免許ごとの技能・学科時間の目安は次のとおりです(1時限=50分)。

取得済み免許ごとの期間

初心者が気をつけたいこと

初心者にとっては、大型車特有の車体サイズ・死角・内輪差・制動距離など、普通車との違いを理解しておくことが重要です。
また、費用面の負担を軽くするために教育訓練給付制度の活用も検討しましょう。この制度を使えば、教習所の費用の20%(上限10万円)までが支給されます。

給付を受ける条件は以下のとおりです。
• 雇用保険に1年以上加入していること(初回利用の場合)
• 退職者であれば、離職から1年以内であること


費用面の負担を減らしながらスキルを身につけたい方は、こうした制度もぜひ活用してみてください。

大型免許の条件や視力基準をしっかりチェック

大型免許の取得には、年齢や運転経験、視力などの条件がありますが、事前に基準を確認して準備すれば、誰でも取得を目指せます。
とくに視力や運動能力などの適性条件は重要なので、不安がある方は早めに確認しておきましょう。
物流や旅客輸送など多くの分野で需要が高く、将来性もある資格です。条件を満たしている方は、ぜひ取得を検討してみてください。

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この記事の執筆者

メカニック転職ナビ編集部
自動車整備士の転職サイト「メカニック転職ナビ」の編集部です。自動車整備士の転職に役立つ情報をわかりやすくまとめてお届けします。