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2025/08/13

タクシー運転手の年収を平均・都道府県別・年代別に解説!今後どうなる?

タクシー運転手の年収

タクシー運転手への就職・転職を検討している方にとって、最も気になるのは年収ではないでしょうか。利用者として乗車料金は分かっていても、運転手の収入はイメージしにくいものです。

この記事では、タクシー運転手の年収を平均・都道府県別・年代別に詳しく解説します。収入アップのポイントも紹介しますので、転職を検討中の方はぜひ参考にしてください。

タクシー運転手の年収はどれくらい?

タクシー運転手の年収はどれくらい?

全国ハイヤー・タクシー連合会「令和5年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況」によると、タクシー運転手の全国平均年収は約419万円。日本の平均年収(約460万円)よりやや低めです。

都市部では、東京都586万円、愛知県506万円、大阪府487万円など400万円超の地域が多い一方、地方は 230万〜300万円台にとどまる地域も多く、地域差が大きいのが特徴です。

月収では、19万〜48万円(平均約34万円)が目安で、賞与は全国平均約13万円で、会社や地域によって0〜52万円と開きがあります。

都市部と地方で年収差が出る理由

都市部と地方で年収差が出るのは、タクシー需要の違いが主な理由です。
都市部は観光やビジネスでの移動需要が高く、流し営業や深夜帯の利用も多いため、歩合で収入を伸ばしやすい環境があります。

一方、地方はマイカー移動が多く、人口減少の影響もあり、無線配車や待機営業が中心となるため売上が伸びづらく、収入が上がりにくい状況です。

また、給与体系の違いも影響します。多くのタクシー会社は「歩合制」や「基本給+歩合制」 を採用していますが、都市部では売上の 約60%が給与として支給されるのに対し、地方では 約40〜50%と低めに設定されることが多く、この点も年収差を生む要因となっています。

年代別の年収比較

年代別の年収比較

タクシー運転手の年収は年代や経験年数によって変わります。一般的に20代から40代にかけて収入が上昇し、30代後半〜40代でピークを迎えた後、年齢とともに緩やかに減少する傾向です。

以下は年代別の全国平均年収(賞与含む)の目安です。

  • 20代:約411万円
  • 30代:約486万円
  • 40代:約509万円
  • 50代:約482万円
  • 60代:約389万円

20代の平均年収は約411万円で、ベテランドライバーと比べると低めです。理由は、人気エリアや繁忙時間帯の把握が十分でないことや、勤務時間が短めな傾向があり、売上や歩合給が伸びにくいためです。

30代で平均年収は約486万円40代約509万円とピークに達します。この年代のドライバーは、効率的な稼ぎ方を身につけており、繁忙時間帯や高収入エリアを把握し、効率よく売上を伸ばせるのが特徴です。常連客や指名が増えやすく、リピート利用による収入アップも期待できます。

50代の平均年収は約482万円と高水準を維持しますが、ピーク時よりはわずかに減少します。夜勤や長時間勤務を避けるドライバーが増えるため、売上が落ち着く傾向があるためです。

60代では約389万円と下がり、定年後の再雇用や嘱託勤務で働く人が増えることも影響しています。勤務日数や時間が短縮されるケースが多く、歩合給も減りやすいため、収入が減少しやすくなっています。

女性のタクシー運転手の年収について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
女性タクシードライバーという選択肢|給料・働き方・注意点まで解説

都道府県別の年収差は?

都道府県別の年収差は?

全国ハイヤー・タクシー連合会「令和5年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況」によると、都道府県別の平均年収(賞与含む)の上位5県は以下の通りです。

  • 東京都:約586万円
  • 大阪府:約487万円
  • 神奈川県・岡山県:約425万円
  • 埼玉県:約389万円

一方、下位は以下の通りです。

  • 石川県:約230万円
  • 福井県:約232万円
  • 宮崎県:約249万円
  • 青森県:約252万円
  • 山形県・高知県:約256万円

都市部は需要が高く収入も高め

都市部は人口が多く、ビジネス・観光・イベントなどでタクシー利用が多いため、高収入を得やすい傾向にあります。法人契約や定額送迎など安定した収入源があることも理由のひとつです。東京都や大阪市内では通勤・通学、観光地や繁華街での需要が多く、1日の売上が地方に比べて高くなる傾向があります。

地方は需要が少なく収入も低め

地方では人口減少や自家用車利用の多さからタクシー需要が都市部より低くなっています。観光やビジネスでの利用も限定的で、日によっては乗客が数人にとどまることもあります。また、無線配車やアプリ配車の普及率も低く、流し営業が難しい点も収入低下の要因といえるでしょう。

年収の推移と近年の変化

タクシー運転手の平均年収は、2019年に約358万円でしたが、2020〜2021年は新型コロナウイルスの影響で利用客が激減し、300万円を下回る水準に落ち込みました。
その後、行動制限の緩和やインバウンド観光客の増加により、2022年には約361万円、2023年には約419万円と回復し、コロナ前の水準を上回るようになっています。観光需要や高齢者の移動需要の増加もあり、今後も年収は上昇傾向が続くと予想されます。

2024年の働き方改革が収入に影響

2024年に施行された働き方改革関連法(改善基準告示)により、タクシー業界にも時間外労働の上限規制が導入されました。これまで歩合で稼いでいたタクシー運転手の中には、労働時間の制限により収入が減少するケースも出ています。

今後は労働時間の効率化や歩合制の見直しが進み、収入構造そのものが変化していく可能性があります。

タクシー運転手で収入を上げるには?

タクシー運転手で収入を上げるには?

タクシー運転手として収入を上げるためには、働き方、売上アップの工夫、スキルの活用がポイントになります。また、就業前のタクシー会社選びも重要です。ここでは具体的な方法を解説します。

夜勤・隔日勤務で収入は変わる

夜勤シフトで働くと、日勤より収入が高くなる傾向があります。深夜割増料金が適用され、終電後や夜間の需要が集中する時間帯に稼ぎやすいためです。

隔日勤務(1日勤務して翌日休む)も収入を伸ばしやすい働き方です。長時間勤務で日中・夜間どちらの需要も拾いやすく、効率よく稼げるのが特徴です。
夜勤や隔日勤務を中心に働けば、年収700万円以上を目指すことも可能です。

タクシー運転手の隔日勤務については、こちらの記事で詳しく解説しています。
タクシー運転手の隔日勤務とは?シフトや勤務時間、有休事情までわかりやすく解説

売上アップのコツ

売上を伸ばすには以下の工夫が有効です。

  • 無線配車を積極活用し、空車時間を減らして効率よく回数を増やす
  • 多客エリア(繁華街・駅・空港・イベント周辺)で営業し、単価・回転率を高める
  • 観光対応力を高める(観光案内・語学力など)ことで高単価な長距離利用やリピート指名を得る

とくにインバウンド需要の多い地域では観光客対応が売上アップにつながります。

英語や接客スキルや二種免許の活用

英語対応ができる運転手はインバウンド客対応で重宝されます。また、高い接客スキルは顧客満足度向上・リピーター獲得につながり、指名やチップ、評価アップによる昇給も期待できます。
さらに、二種免許を活かし、空港送迎や観光タクシー、VIP送迎など業務の幅を広げることも収入アップに有効です。

タクシー会社の選び方(福利厚生・歩合率・配車体制)

同じ働き方をしても、就業先によって収入に差が出ます。以下を確認しましょう。

  • 福利厚生:二種免許取得支援、健康管理施設など
  • 歩合率:同じ売上でも歩合率50%と40%では年収に大きな差が出る
  • 配車体制:無線・アプリ配車で安定収入が得られる環境か

これらは事前に確認し、条件が良い会社を選ぶことが大切です。

転職エージェントやアドバイザーに相談する

「どの会社が良いか分からない」「収入を上げたい」という場合は、転職エージェントや専門アドバイザーに相談するのも有効です。
業界特化の転職エージェントなら給与体系、歩合率、手当、勤務スケジュールなど求人票だけでは分からない情報も得られ、ミスマッチを防ぎながら収入アップを目指せます。

転職相談先や、おすすめの転職エージェントについては、こちらの記事で紹介しています。
タクシー運転手への転職はどこに相談する?おすすめのサービスと活用法を紹介!

年収で見るタクシー運転手という選択

タクシー運転手の平均年収は約419万円ですが、働き方次第で700万円以上も目指せる職業です。とくに地域や企業選びが収入に大きく影響しており、都市部では400万円超、地方では230万円~300万円台と差があります。

年収を上げるには経験を重ねることも必要ですが、夜勤や隔日勤務、多客エリアでの営業、英語や接客スキルの活用など工夫をすることも大切です。また、歩合率の高い会社や配車体制の整った会社を選ぶなど、就業前の確認もしっかり行いましょう。

タクシー運転手は努力が収入に直結しやすく、未経験でも挑戦しやすい職業です。理想とするタクシー運転手像に合わせて、最適な働き方・会社を選びましょう。

タクシー運転手の求人・転職先をお探しの方は、ドライバー・運転手専門の転職サイト『ドライババーの転職ナビ』がおすすめです。

この記事の執筆者

メカニック転職ナビ編集部
自動車整備士の転職サイト「メカニック転職ナビ」の編集部です。自動車整備士の転職に役立つ情報をわかりやすくまとめてお届けします。