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2025/04/30

自動車検査員とは?資格や試験内容、給料、整備士との違いとは

自動車検査員

自動車検査員とは、整備が終わった車両を最終的にチェックし、安全に問題がないか確認する仕事をする人です。この仕事は、直接車を直す整備士とは少し役割が異なり、車を安全に使うための重要なポジションといえます。

自動車検査員になるには資格が必要で、多くは整備士として働いている人がさらなるスキルアップやキャリアの向上を目指してこの資格を取得しています。

この記事では、自動車検査員が何をする仕事なのか、整備士との違いに加えて、資格試験の中身や難しさ、給料の目安まで、初心者にもわかりやすく解説します。

自動車検査員とは

自動車検査員とは

自動車検査員は、整備後の車が法律で定められた安全基準を満たしているかを確認し、安全に走行可能な状態であることを確認する仕事です。この仕事はもともと国の仕事でしたが、いまは民間でも行われるようになり、責任や義務が公務員と似ている部分もあります。

自動車検査員の主な業務内容としては、整備士が修理や点検を行なった後、その車両が道路運送車両法の基準に適合しているかを最終チェックする「完成検査」があります。

もし問題が見つかれば、整備を担当した人に修理を頼み直します。そして、車検証や点検記録などの書類を作成してきちんと管理します。また、法律が変わった場合には、その変更にしっかり対応する必要があります。

これらの仕事は資格保持者のみが行える業務独占資格であり、国土交通省指定または認定工場には必ず配置しなければならないという特徴もあります。

自動車検査員と自動車整備士の違い

自動車整備士の主な仕事は、車の修理やメンテナンスを行うことです。一方、自動車検査員は、それらの整備がちゃんとできているかを確認し、安全かどうかを判断します。簡単に言えば、「整備士は車を整える役目」「検査員はその仕上がりをチェックする役目」と言えます。それぞれの仕事は異なりますが、お互いを支え合う大事な関係です。

また、キャリアパスの視点でも違いがあります。
自動車整備士は整備業務を通じて技術を磨き、最終的には1級自動車整備士を目指すことが一般的です。その一方で、自動車検査員の資格は自動車整備士としての経験を積んだ上で取得し、さらに上のキャリアアップを目指すものとして位置付けられています。

自動車検査員と自動車整備士は、整備業務において相互に補完し合う関係であり、どちらも欠かすことはできません。

・自動車整備士のなり方や資格について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
自動車整備士になる方法は?整備士に必要な資格と勉強法を解説
自動車整備士の資格の種類は?取得方法や試験の難易度も解説!

自動車検査員の仕事内容

自動車検査員の仕事内容

自動車検査員とは、整備が終わった車が法律で定められた安全基準をクリアしているか確認する仕事です。具体的には、以下の5つの業務があります。

  • 完成検査:整備完了車両が、法律で定められた安全基準を満たしているか確認する業務
  • 書類作成と管理:検査結果をもとに必要な書類を作成し、管理・保管する業務
  • 業務指導と監督:他の検査員や整備士に適切な指導や監督を行う業務
  • 検査設備の管理:検査に使う機器や設備を管理し、定期的に点検や改善を行う業務
  • 法律の確認:最新の法律やルールを常にキャッチアップする業務

検査員は「車の安全を守る最終確認者」として重要な役割を果たすだけでなく、整備全体の管理も担当しています。

自動車検査員になるには?

自動車検査員になるには?

自動車検査員は、ドライバーや道路の安全を守る重要な仕事です。その資格を取るためにはどのような条件が必要か、よくわからない人もいるでしょう。ここでは、自動車検査員になるために必要な資格や、資格を持つメリットを解説します。

自動車検査員になるために必要な条件(受験資格)

自動車検査員になるためには、誰でも挑戦できるわけではなく、いくつかの条件を満たす必要があります。

<条件1. 整備士の資格を持っていること>
「1級自動車整備士」または「2級自動車整備士(2級自動車シャシ整備士を除く)」の資格を保有している必要があります。「無資格」または「3級自動車整備士」の資格だけでは、この道は目指せません。

<条件2. 整備士の資格を持っていること>
整備士として経験を積むことも条件の1つです。
1級の資格を持っている場合は最低6ヵ月、2級の資格の場合は1年以上、自動車整備主任者として働いた実績が求められます。この実務経験を積む場所は、国土交通省で認定された特定の整備工場に限られる点も注意が必要です。

さらに、実務経験を得たら自動車整備主任者が業務に必要な知識や技能を向上させるための研修「整備主任者研修」を受講します。

<条件3. 教習に合格すること>
条件1と2の条件を満たしたら、「自動車検査員教習」を受講します。この教習は計4回あり、検査業務に必要な知識・スキルを学びます。最後に、検査に関する項目や基礎の法令についての知識が問われる修了試験に合格すると、自動車検査員の資格を取得できます。

・1級自動車整備士・2級自動車整備士についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
1級自動車整備士の試験内容と受験資格、難易度を解説!
2級自動車整備士の試験内容と受験資格、難易度を解説!

自動車検査員の資格を持つメリットは?

<メリット1.仕事が安定している>
自動車検査員の資格を持った人は、国が認めた工場に必ず必要です。つまり、需要が常にあるのです。だから失業しにくいと言えます。安定した職に就きたい人には、大きな強みになります。

<メリット2.キャリアの幅が広がる>
キャリアパスの選択肢が増えることです。自動車検査員として一定の実務経験を積めば、工場長・副工場長といった管理職に昇進できる可能性があります。ただ仕事を続けるだけでなく、責任あるポジションを目指すこともできるのです。

<メリット3.社会的な評価が高くなる>
自動車検査員は、公共の安全を守るみなし公務員として位置付けられており、専門職として業界内外で信頼されやすい仕事です。他者から承認されやすいため、働くモチベーションを維持しやすいと言えるでしょう。

自動車検査員の試験内容と難易度

自動車検査員の試験内容と難易度

自動車整備は、自動車整備の最終確認を行い、交通安全を維持する上で重要な役割がありますが、試験内容や難易度について気になる方もいるかと思います。ここでは、試験内容や試験の難易度、資格が取れるまでの流れについて詳しく解説します。

試験内容と資格取得するまでの流れ

必要な受験条件を満たした上で、地方運輸局に申請し、4日間の「自動車検査員教習」を受講します。教習を修了後に修了試験を受け、合格すれば自動車検査員の資格を取得することができます。

修了試験は約100問で、選択問題や計算問題が出題されます。主に、「検査に関する項目」と「基礎法令・整備士法令」の2つの科目に分かれています。合格ラインは、全体で80%以上、各科目で60%以上の正答率が必要です。

試験の難易度について

自動車検査員は責任が大きい仕事なので、その分、資格の条件や試験の内容も少しハードルが高めです。合格率は約50%〜70%程度で、国家試験としては中程度の難易度といえます。
ただし、試験の内容は基本的に教習期間中に教えてもらえる範囲なので、授業をきちんと理解すれば合格のチャンスが上がります。

加えて、自動車整備振興会によっては、自動車検査員に必要な講習を開催しているケースもあります。試験対策として役立つため、自分の地域の自動車整備振興会の公式サイトを確認してみましょう。さらに、自動車整備振興会の公式サイトや市販のテキストを活用し、過去問を繰り返し解く方法も有効です。

自動車検査員の給料について

自動車検査員の給料について

自動車検査員の平均年収は370万円~385万円ほどで、月収に換算すると平均30万円~32万円です。1級自動車整備士の年収約420万円、2級の年収約380万円~420万円であることを考えると、少し低めに感じるかもしれません。


しかし、自動車検査員には資格手当として3,000円~30,000円が給付されることが多いです。また、整備工場によっては車検1台あたりの検査業務に固定インセンティブが付く場合もあります。そのため、平均以上の収入を得ケースも少なくありません。平均年収はあくまで目安として考え、+αの収入が期待できると考えておくとよいでしょう。

・自動車整備士の給料について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
自動車整備士の給料はいくら?整備士で高い給料を目指す方法

自動車検査員資格は整備士としてのキャリアアップに繋がる

自動車検査員は、整備完了車両が法律で定められた安全基準を満たしているかをチェックする仕事です。交通安全を維持するため、公務員と同様の責任と義務が課せられ、みなし公務員として扱われています。

自動車検査員の資格を取得することで、ご自身の選択肢やキャリアの幅が広がり、安定した働き方が期待できます。また、この仕事は常にある程度の需要が見込まれているため、変化が激しい社会のなかでは安心感のある職業ともいえるでしょう。

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この記事の執筆者

メカニック転職ナビ編集部
自動車整備士の転職サイト「メカニック転職ナビ」の編集部です。自動車整備士の転職に役立つ情報をわかりやすくまとめてお届けします。