自動車整備士とはどんな仕事？整備士の業務内容について解説

機械や自動車をいじるのが好きな方の中には、自動車整備士の仕事に興味を持っている方もいるのではないでしょうか。

自動車整備士は、車の安全性や性能を維持するために、さまざまな作業を行います。この記事では、そんな自動車整備士の仕事内容や資格の種類、魅力について詳しく解説します。

自動車整備士とは

自動車整備士とは、車両の点検や修理・部品交換などの整備業務を行う専門職です。また、自動車に不具合がなくても、故障を未然に防ぐためのメンテナンスを行ったり、アドバイスをしたりすることもあります。

自動車整備士は、主に車を販売しているディーラーや整備だけを請け負う整備工場で働きます。

車の整備は、安全に関わる大事な仕事です。小さなミスが大きな事故につながることもあるでしょう。そのため、整備をするには「自動車整備士」という国家資格が必要になります。

・自動車整備士の資格ついては詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
『自動車整備士の資格の種類は？取得方法や試験の難易度も解説！』

自動車整備士の仕事内容

自動車整備士の仕事は、大きく分けて「点検整備」「緊急整備」「特定整備」の3つがあります。それぞれの具体的な内容を説明します。

・点検整備
車に問題がないかをチェックする仕事です。走行状況や部品の消耗具合を確認し、安全に運転できるよう整備します。
例えば、車検は新車登録から3年後、その後は2年ごとに実施します。その際、使用期間や走行距離を考慮しながら、点検項目を一つずつ確認します。

・緊急整備（トラブル対応）
エンジンのトラブルや交通事故による車両の故障・破損を修理する仕事です。まず、車を分解して故障している部分を特定し、修理や部品交換を行います。
特に交通事故の場合は、事故の状況や現場の状態をしっかり確認してから整備を行うことで、さらなる事故を防ぐことができます。

・特定整備（分解整備）
特定整備は、1級自動車整備士または2級自動車整備士の資格を持つ人だけができる仕事です。2020年に施行された「自動車特定整備制度」に基づき、車の電子制御装置などを整備します。

近年の自動車は電子部品が増え、テクノロジー化が進んでいます。そのため、これまでの整備に加えて、前方検知カメラやレーダーの調整など、特別なメンテナンスが必要になっています。

自動車整備士の働き方について

自動車整備士は、以下のような職場で働きます。

• カーディーラー
• 中古車販売店
• 民間の整備工場
• カー用品店
• ガソリンスタンド

また、企業で経験を積んだ後に独立し、自動車整備工場を経営する人もいます。企業に勤めると、待遇や福利厚生が充実し、安定しやすいメリットがあります。一方で、独立すると自由度が高くなり、よりお客様の要望に応じたサービスを提供しやすくなるでしょう。

雇用形態もさまざまで、正社員・契約社員・アルバイトがあります。例えば、週3日アルバイトをしながら資格取得を目指す人や、未経験でも正社員として働き、実務経験を積む人もいます。

自動車整備士の資格の種類

自動車整備士の資格は4つあります。

• 1級自動車整備士
• 2級自動車整備士
• 3級自動車整備士
• 特殊整備士

それぞれの資格について詳しく説明します。

① 1級自動車整備士
自動車整備士資格の中でもっとも難易度の高い資格です。実技試験と筆記試験があり、合格率は約20％です。1級を取得すると、すべての車両の整備や点検、修理を行うことができます。

また、一般的な整備士としてだけでなく、リーダーや主任などの役職を目指す際にも役立ちます。整備技術に加えて、現場の安全管理や後輩の育成について必要な知識・スキルも学べるからです。

・1級自動車整備士の資格や仕事内容について詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
『1級自動車整備士の試験内容と受験資格、難易度を解説！』

② 2級自動車整備士
自動車整備士資格の中でもっとも保有者の多い資格です。初歩的な3級ではできない整備業務が可能になり、点検・修理・交換・板金塗装など幅広い業務を担当できます。

特殊な整備でなければある程度の業務をカバーすることができるため、整備士として就業したい方であれば、まずは2級自動車整備士の資格取得を目指しましょう。

・2級自動車整備士の資格や仕事内容について詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
『2級自動車整備士の試験内容と受験資格、難易度を解説！』

③ 3級自動車整備士
自動車整備の基礎を学び、オイルやタイヤの交換など軽微なメンテナンスができる資格です。3級であれば趣味で車をいじるのが好きな人や、自分の車のメンテナンスを自分で行いたい人にも人気があります。

・3級自動車整備士の資格や仕事内容について詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
『3級自動車整備士の試験内容と受験資格、難易度を解説！』

④特殊整備士
1級～3級自動車整備士とは別の国家資格で、特定分野のスペシャリストであることを証明する資格です。種類は以下の3つです。

• 自動車電気装置整備士
• 自動車車体整備士
• 自動車タイヤ整備士

これらの資格はステップアップ形式ではなく、それぞれ独立した資格です。

例えば、「自動車電気装置整備士」は、自動車の電子制御装置のメンテナンスに特化した資格です。エンジンスターター、カーナビ、エンジンコントロールコンピューターなどの電気装置の修理が可能になります。

・自動車整備士の資格についてはこちらの記事を詳しく解説しています。
『自動車整備士の資格の種類は？取得方法や試験の難易度も解説！』

自動車整備士に求められる資質やスキル

自動車整備士には、一般的な車両整備の技術・知識はもちろんですが、電気自動車（EV）についての知識、顧客とのコミュニケーション能力、後輩の育成力などのスキルも求められます。

自動車整備士は人手不足が課題となっており、若い整備士がなかなか育たない状況が続いています。少子化の影響で専門学校や短大で学ぶ学生の数も減少しており、既存の整備士が長く働ける環境づくりや、新しい技術に対応できる知識の習得が重要になっています。

自動車整備士になるには？

自動車整備士になるには、以下の2つの方法があります。

• 専門学校や大学で学び資格を取得する方法
• 企業に就職して実務経験を積みながら資格を取得する方法

資格を取得するには、技能検定申請を行い、学科試験と実技試験の両方に合格する必要があります。また、各級によって実務経験が数年必要なケースもあります。

例えば、高校を卒業してすぐに3級の試験を受けるには、1年以上の実務経験が必要です。さらに2級を取得する場合、3級合格後に3年の実務経験が必要になります。そのため、最短でも1級取得までに7年ほどかかることになります。

ただし、卒業と同時に受験資格を取得できる学校もあるため、なるべく早く自動車整備士になりたい方はそうした学校を選ぶのがおすすめです。

・自動車整備士になる方法についてはこちらの記事を詳しく解説しています。
『自動車整備士になる方法は？整備士に必要な資格と勉強法を解説』

自動車整備士の魅力とは

車が好きな人や機械をいじるのが好きな人にとって、自動車整備士はとても楽しい仕事です。いろいろな種類の車に触れることができ、新しい部品や最新の技術にも関わることができます。仕事を通じて専門的な知識が身につくのも魅力のひとつです。

また、車の持ち主から感謝されることも多い仕事です。整備によって車の安全が守られるだけでなく、快適なドライブや移動のサポートにもつながります。「整備してもらったおかげで安心して運転できる」といった声を聞くと、大きなやりがいを感じるでしょう。

さらに、自動車整備士の資格は国家資格であり、求人数も増えているため、就職しやすい仕事です。ディーラーや整備工場、独立開業など、働き方もいろいろあります。

経験を積むのに時間がかかる仕事ではありますが、手に職をつけて長く働けるのも魅力です。

自動車整備士の仕事に挑戦しよう

自動車整備士は、車の安全を守るために欠かせない仕事です。最初はタイヤ交換やオイル交換といった簡単な作業から始め、少しずつスキルを身につけることで、給料や仕事の幅も広がります。

自動車整備士として働きたいなら、まずは資格取得を目指しましょう。正社員の求人が多いですが、アルバイトや契約社員として経験を積むこともできます。未経験者を積極的に採用している企業もあるため、自分に合った職場を探してみるのがおすすめです。

・自動車整備士への転職をお考えの方は、自動車整備士専門キャリアアドバイザーのサポート付き自動車整備士の転職サイト『メカニック転職ナビ』がおすすめ！